教員の給料について

教職員の給料について【徹底解説】

学校の先生ってどのくらいお金をもらっているのか気になったことはありませんか?

いちばん身近な職業の一つとして興味がある方も多いと思います。

ただ、お金や年収とかの話ってなかなか分からないですし聞きづらいですよね。

先生になれたら一生安泰なのか?民間企業と比べて給料や手当はどうなのか?ボーナスは?退職金は?などなど。。

私もすっごい興味があったので、自分自身が知りたかったことも含めて全てここに記そうと思います。

就職を考えている方、転職を考えている方、はたまた現役の教職員の方まで、色んな方の参考になれば幸いです。

通学している女子学生のイラスト(セーラー服)
学校の建物のイラスト(背景素材)
通学している小学生たちのイラスト

まず、先生方の給料は「給料表」というもので定められています。これはどの公務員も同じです。

各県や自治体のホームページのどこかにだいたい載っていますので時間のある方は調べてみるといいでしょう。

ちなみに、教育職給料表(三)が小学校・中学校の教員  教育職(二)が高等学校の教員 に対応しています。

参考までに今回は、福岡県の義務教育学校(小学校・中学校)の先生について見ていきましょう。
(金額や手当や制度は各県や政令市でそんなに大きく違いはありませんので参考にされて下さい)

なんか数字ばっかりで、もう挫折しそうになっているかもしれませんが、一緒に頑張ってみていきましょう!

意外と簡単ですよ!

給料表の見方ですが、級と号給というものがあります。

・級というのは職種によるものです。表の一番上のところです。

 1級  → 講師・助教諭
 2級  → 教諭
 特2級 → 指導教諭・主幹教諭  
 3級  → 教頭
 4級  → 校長

というふうに職名が決まっています。

※通常、各都道府県の教員採用試験(政令指定都市はその自治体の教員採用試験)に合格すると、「教諭」として採用されます。

教諭であれば縦のところは2級のところをみたらOKです。
 
人手不足などで教員採用試験を合格していなくて任用される場合は「講師」または「助教諭」となります。(任期付き)1級です。

 「指導教諭・主幹教諭」というのは先生たちの先生的なポジションで、教頭に続く立ち位置という認識でOKです。特2級です。

 保健室の先生のことを「養護教諭」といいますが、養護教諭も給与面は全て教諭と同じです。2級です!

・号給というのは1年で基本4つずつ上がっていくものです。(3か月の在籍で1号給というイメージです。昇給自体は年に1回。別で詳しく解説します)
 採用された時に、それまでの職歴等を加味して決定されます。

ストレートに4年大学まで卒業してすぐに採用された場合2級17号給となります。

この場合は表より、2級と17号級が交差するところをみて、213,900円 となります。

この給料表の額が基本となる給料ですが、教員の先生には様々な手当が上乗せされます。

給料表の金額+様々な手当=月給

基本はこれです。
でも、給料表はなんとなく分かったけど様々な手当ってなに?どういう手当があるの?
と思いますのでしっかりと一つずつ解説していきます。

~月々の給料に上乗せされる様々な手当の種類と金額~

給料表の金額はそこまで高くないように感じる方も多いのではないでしょうか?
この金額なら求人誌や転職サイトで探した方がいいかも!って思いますよね?
ですが、給料表の金額に加えて、実は以下のようにたくさんの手当がプラスされて、月々の給料として支給されています。

通勤手当  通勤の距離に応じて支給される手当です。交通機関を利用して通勤の場合は定期券代、         車や自転車通勤の場合は距離対応が支給されます。

住居から勤務地までの距離距離対応額
0~

扶養手当  扶養親族のある職員に支給される手当です。
       ・0歳~15歳までの子  10,000円(中学生までの子)
       ・15歳~22歳までの子 15,200円(高校から4年生大学までの子)
       ・配偶者、父母など     6,500円

住居手当  家を借りている職員に支給される手当です。
       
       手当額=(家賃の月額ー27,000)÷2+11,000   

       ただし、27,000円以下の家賃の場合は、(家賃の月額ー16,000)円
           61,000円以上の家賃の場合は、 28,000円(最高限度額)

給料の調整額 特別支援学校の先生や、特別支援学級の担任、通級指導教室の担任に支給される手当です。
        該当する教員の多くは10,800円

教職調整額  給料表の金額×4%
        
        教員は時間外手当(残業代)がない!ブラックだ!などといわれていますが、定時で   すぐ帰る人も残業している人も一律に4%最初から上乗せされています。

管理職手当  校長・副校長・教頭の役職のみに支給される手当です。 ※副校長の役職がない学校もあります
 手当の額は、学校規模によって異なりますが、

・小・中学校(義務教育学校の場合)        
        
  校長・・・54,200円 (18学級未満の学校の場合) 

       63,300円 (18学級以上の学校の場合)

  副校長・・52,900円(学級数関係なく)  

  教頭・・・44,100円 (18学級未満の学校の場合) 

       52,900円 (18学級以上の学校の場合)  となっています。

 ※載せていませんが、県立学校(高等学校など)の場合は、この金額より更に高い額となります。

地域手当   (給料表の金額+給料の調整額+教職員調整額+管理職手当+扶養手当)×5.4%

      
 無条件でみんなに支給される手当です。

 給料表の金額に率をかけるのではなく、手当も含めたところに率をかけます。      
 
 ちなみに、地域手当の率は福岡県の教職員は5.4%から1,8%へ変更になっています。

 え?!結構さがってるよ!って思われるかもしれませんが、公務員の給料はいきなり下がることは基本まずなくて、表向きは1.8%と表記していますが、よく調べてみると経過措置などと記載があり、
福岡県の場合は実情5.4%のまんまです。

 公務員の給料は、給与の改定などで下がったようにみえても、実際は現状を維持するための措置が基本的にあります。

義務教育等教員特別手当  ながい名前の手当ですが、小学校・中学校・特別支援学校に勤務する職  員に支給される手当です。
 金額は8,000円の範囲内で、その人の級ー号給によって決まります。以下の表を参考に!

例えば2級の28号給の人であれば、2,900円の手当がつきます。

へき地手当  山間地や離島など、普通に出勤することが困難な場所に勤務する人に支給される手当です。
        ただの田舎などでは基本該当しません。準ずる手当などもありますが、今回は省略。

特殊勤務手当  通常の業務とは別に、プラスアルファで働いた場合などに支給される手当です。
         イメージしやすいものは以下の2つでしょうか。

 部活動の指導手当 ・・・・・・ 土曜日や日曜日、祝日などに部活の指導をした場合、3時間程度指導すれば1日につき2,700円
修学旅行などの引率手当 ・・・ 修学旅行等で宿泊を伴う場合、1日につき5,100円         

●新規採用された場合の初任給について

さて、気になる方も多いと思います。
ここで具体例を見ていきましょう!

・小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、大学4年間でストレートに卒業してきた場合

 22歳で大学を卒業し、そのまま小学校もしくは中学校に教諭で採用された場合です。

 給料表の号給は 2級17号給 となります。

 先ほどの給料表から、2級の17号給のところを見ると 213,900円 です!

 先ほども述べた通り、「じゃあ月給は21万4千円くらいだね!」とはならず、各種手当が加算されます。

 教職調整額  給料表の額×4%=213,900×4%=8,556円 
 
 地域手当   (給料表の額+教職調整額)×5.4%=(213,900+8,556)×5.4%=12,012円

 義務教育等教員特別手当 2級17号給 なので、表より 2,600円

 ここまでは、絶対に支給される分です。

 ここまでで、213,900+8,556+12,012円=234,468円

 これに加え、人によって異なる3つの手当(通勤手当・扶養手当・住居手当)や、もし特別支援学級や通級の担任であれば調整額もつくうえ、それが扶養手当や地域手当の基礎になっているため、さらに異なってきます。

 仮に、通常学級の担任になり、職場から14kmの家賃6万円のアパートに一人暮らしの場合(よくあるケースだと思います)

 先ほどの金額に通勤手当と住居手当が加算されます。

 通勤手当  車通勤で家から職場まで合理的な最短距離14kmの場合  9,700円

 
 住居手当 (60,000-27,000)÷2+11,000=27,500円

 したがって、月々の給料のトータルは、234,468+9,700+27,500=271,668円 となります。

 このように給料表の金額に必ず手当がつきます。そして、実際の給料は人によって異なるため給料表の金額だけで判断しにくいのです。

 
 上記の場合、給料表の額は21万円台なのに手当がつくと27万円オーバーです。(特別支援学級の担任など状況によってさらに加算もあります)

 
 22歳の新卒で額面の給料が27万を超えているならなかなかいいのではないでしょうか?!

 ちなみに自分が22歳新卒で給料が16万円台だったので、すごく羨ましいと思ってしまいます。。。

4年制大学で1年間留年してしまい、さらに1年間アルバイトした場合
 (24歳で新規採用の場合)

 ストレートに大学卒業した場合は2級17号給でした。
 
 それに比べ今回の場合は、1年の留年期間と1年のフリーター期間、計2年間の空白期間があります。

 そうゆう場合どうなるの??と思うかもしれませんが、職歴に応じて号給は加味されます。

 
 基本的に1年間で4号給あがっていきます。考え方的には3月に対して1号給あがるってかんじです。(12か月で4号給UP)

 この場合は、採用前の2年間をどう考えていくのかですけれど、結論から言うと余剰学歴やアルバイトの場合は5割で換算します。
 
 どういうことかと言いますと、大学卒の場合、初任給は2級17号給でしたが、それからの2年間の期間が5割で換算されての採用となります。

 4年制大学卒業の級ー号給である2級17号級に、

2年間(24か月)なので8号給あげて、2級25号給で採用といきたいところですが、半分(5割)の4号給だけあげての2級21号給での採用となります。

 すなわち、同じ年齢でも、
      
大卒ストレートでの採用後2年経った場合、    

 2級17号給+8号給=2級25号

留年やアルバイト歴2年のあと採用された場合(採用時)、

 2級17号給+(8号給×5割)=2級21号給   となります。

 
 つまり、フリーターや浪人、留年期間などがあれば、それだけ号給が低くなってしまうことになります。

 「じゃあ、中途採用で教諭にならない方がいいの??不利?」って不安に思う方もいらっしゃると思いますが、余剰学歴やフリーターでない限り10割や8割での換算になるので、あまり不利にはなりません。
 特に、教育関係で働いていた場合などはおおむね10割で換算されます。

 例えば、大学卒業してすぐに民間の学習塾で採用されて働いていたけど、途中から小中学校で教諭として採用された場合などは、ストレートで採用された場合と同じ給号給となります。(職歴に空白がなければ同じ年齢なら同じ号給となります)

中途採用の場合などはこのように経歴を加味されて初任給の決定がなされます。

 月々の給料的には、いつ教諭になろうが、ちゃんと教諭として採用されるまでの歴を加算して初任給が決まるので安心していいと思います。

そして、採用されてしまえば、公務員なので不祥事を起こさない限り辞めさせられることはなく、毎年昇給していきますので、安定していると思いますよ。最近は50代での採用も多くあるみたいです。

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